もらい事故で追突された場合、車の補償はどうなる?

もらい事故で追突された場合、車の補償はどうなる?

自分に非がないのに事故に巻き込まれてしまうことを「もらい事故」と言います。駐車や停車をしていたのに後ろから追突されたり、対向車線の車がセンターラインを超えてこちらに衝突してきた、などの事例で互いの過失割合に大きな差がある場合に、被害者の側から見た場合の事故が該当します。

自分に全く非がないと思われる状況であっても、事故の状況から厳密に捉えれば、被害者の側に幾らかの過失があると考えられる場合があります。そのためもらい事故であっても補償の過失割合が0になるとは限りません。次は極端な例になりますが、実際に2012年の4月30日に福井県で起こった事故では、居眠り運転をして対向車線にはみ出してきた車に衝突された車の運転手の側に4000万円の損害賠償の支払いが命じられたことがありました。

一方もらい事故の中で、この場合は被害側の過失がゼロになりやすいというケースがあります。それは信号待ちなどで停車しているときに後ろから追突されるような場合です。事故の補償額は過失の割合によって変わりますので、もらい事故について考える上で、ここでは自分に全く過失がない場合に限定して、被害を受けた車両の補償について見ていきましょう。

相手に完全に過失がある場合

もらい事故で相手に100%の過失がある場合は、その事故に関わる損害が全て事故の加害者にかかることになります。多くの場合は、それが加害者側の保険を使って補償されることになります。被害者の車両の補償について、補償金額はその車の「時価」までです。そのため、車両の修理代金がその車の時価を上回る場合は、時価を超えた分の修理を行いたい場合、その費用は被害者の自己負担になります。

時価は、事故に遭った車と同じ車種やグレード、同じ走行距離の中古車を新たに取得する際にかかる費用を元に算出されます。これは相手の保険会社によって算出されるので、金額に納得がいかない場合は、保険会社と交渉をする必要が出てきます。こちらに責任がない事故の場合に、自分が加入している保険会社が交渉を担当することは法律で禁じられています。そのため自分の加入している保険会社は、その事故に介入できません。保険によってはこの様な場合にも弁護士への相談ができる「弁護士特約」が付いている場合がありますので、第三者に補償についての交渉を依頼したい場合は、この様な制度を利用すると良いでしょう。

評価損の請求

また、事故車になりますと、損害箇所を修理した場合でも、車の売却時に査定金額が下がってしまいます。このときに発生する損失を「評価損」と言います。もらい事故の場合、この評価損の補償を相手に請求することができる可能性があります。裁判の判例をまとめた書籍である海道野守『裁判例、学説にみる交通事故 物的損害 評価損 第2集』によると、評価損は一般的に初度登録から3年以内の車は認められることが多く、約7割以上の判例が評価損を認めています。

評価損の補償を求めた裁判全体でみても、判例の約68%が評価損を認めており、評価損は認められることが多い傾向にあります。ですから、もらい事故に遭ってしまった場合は、修理代のみを請求するのではなく、評価損の補償も相手に請求するとよいでしょう。

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